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色彩選別機の価格は何で決まる?規模別の相場と見積6要因【2026】

色彩選別機の価格は、農家向けの小型機で約168万円、籾摺ラインに組み込む中〜大型機で約273万〜552万円がメーカー公式価格の目安です。この記事では公式に公開されている価格だけを根拠に、規模別の相場と見積を動かす6つの要因、使える補助金、発注前の確認事項を整理します。

結論から書きます。本体価格は「処理量(t/h)」でほぼ決まり、公式価格が確認できる範囲では小型の単体機が約168万円(税込)、籾摺機と直結する2.3t/hクラスが約273万〜295万円(税込)、3.3t/h前後の大型機が約491万〜552万円(税込)です。投資が成り立つかどうかは、農産物規格規程で1等米の着色粒の最高限度が0.1%と定められている点に尽きます。わずか0.1%を超えるだけで等級が落ちるため、格落ちで失う金額と機械の価格を並べて比べるのが、いちばん確かな判断の仕方です。

色彩選別機の価格の目安|規模別の相場(メーカー公式価格ベース)

はじめにお断りします。ネット上には買取サイトやまとめサイトの数字が多く出回っていますが、出所が確認できない数字は見積の材料になりません。ここではクボタ・サタケの公式サイトに公開されている希望小売価格だけを挙げ、公開がない機種は「要見積」と書きます。

小型機(農家単体・200〜700kg/h クラス)

籾摺のあとに単体で通すクラスです。クボタ「選別王子Ⅱ(KG-S07X)」は希望小売価格1,684,100円(税込)(クボタ 小型色彩選別機 選別王子Ⅱ 製品ページ)。静岡製機のSCSシリーズには玄米・白米とも200kg/hのSCS-7SⅡ、600kg/hのSCS-32SⅡがありますが、公式の仕様ページに価格の公開がなく要見積です。

中型機(籾摺ライン直結・1.5〜2.4t/h クラス)

5〜6インチの籾摺機にそのままつなぐ、個別経営の主力クラスです。公式価格が確認できるのは次の2つです。

大型機(3t/h超・ライスセンター/集荷施設クラス)

8インチ籾摺機や複数ラインに対応するクラスです。サタケ「SAXES Knight 3.5」は玄米毎時3.5tで希望小売価格4,356,000円(税込)(サタケ 光選別機「SAXES Knight 3.5」新発売リリース)。クボタ選別王シリーズの上位機KG-S110Xは8インチ対応で3.3t/hです。施設向けには、フルカラーカメラと近赤外線カメラを併載したサタケ「SLASH(VQS)」シリーズが玄米0.4〜16.8t/hまでをカバーしますが、公式製品ページに価格の公開はなく要見積です。

クラス

処理量の目安

公式に確認できた価格(税込)

想定する使い方

小型・単体

0.2〜0.7t/h

約168万円(クボタ KG-S07X)

自家調製、仕上げの通し直し

中型・ライン直結

1.5〜2.4t/h

約273万円(サタケ SGS-2300K)/クボタ選別王シリーズ約295万〜552万円

5〜6インチ籾摺機に直結

大型・ライン直結

3.3〜3.5t/h

約436万円(サタケ SAXES Knight 3.5)/約491万〜552万円(クボタ KG-S110X 系)

8インチ籾摺機、ライスセンター

施設・大容量

4〜16.8t/h

公式価格の公開なし(要見積)

精米工場、集荷施設の本選別

上の数字はいずれも本体価格です。実際の支払額には据付工事費・電源工事・コンプレッサ・昇降機や搬送の改造費が乗ります。メーカーのリリースでも据付工事費は別途と明記されるため、見積は工事込みの総額で取ってください。

中古の色彩選別機について(数値を出さない理由)

中古機は流通していますが、中古相場には出所の確かな公開データがありません。買取業者やオークションの提示額は取引ごとにばらつくため、本記事では中古の価格レンジを示しません。確認すべき点だけ挙げます。

  • 製造年と稼働時間、前所有者の用途(玄米か白米か、雑穀を通していないか)
  • 光源とカメラの状態、交換部品がまだ供給されているか(生産終了機は要注意)
  • エジェクタ(高圧エアバルブ)の作動不良、シュートの摩耗
  • 据付と初期調整の担当、販売店の保証と出張修理の範囲
  • 現行機との精度差。古い機種はカメラ解像度が低く、淡い着色粒を取りこぼす

観点は青果の選果機とほぼ同じで、選果機を中古で買う前の確認7項目にまとめています。

見積が動く6つの要因

同じ「2t/hクラス」でも見積が100万円以上動きます。どこで差がつくのかを先に知っておくと、相見積の比較が楽になります。

  1. 処理量(t/h):最大の要因。籾摺機のインチ数に合わせて決まり、後から変えられません。
  2. カメラと光源の構成:フルカラーのみか、近赤外線(NIR)カメラを併載するか。NIRが載るとガラス・石などの無機物を検出できますが価格は上がります。
  3. 選別段数と再選別の有無:1回通しか、不良側をもう一度通して良品の取りこぼしを減らすか。歩留まりに直結します。
  4. 対応穀物の幅:米専用か、麦・大豆・雑穀・そばまで通すか。切替用のシュートやプログラムが追加になります。
  5. 据付と周辺工事:設置スペース、電源容量(単相100Vの機種と三相200Vの機種がある)、昇降機・搬送の改造、コンプレッサ新設。
  6. 保守とサポート:年間点検、消耗部品、収穫期の緊急対応。繁忙期に半日止まる損失を考えると削るべきではありません。

要因の分解の仕方は青果の光センサー選果機でも共通です。より一般的な整理は光センサー選果機の価格はいくら?費用を決める7要因と補助金に書いています。

方式別の比較表|何が落とせて、何が落とせないか

カタログは「不良粒を除去」とひとまとめに書かれがちですが、方式ごとに得意な対象は分かれます。米の調製現場で問題になる対象を方式別に整理しました。

方式

見ているもの

得意な対象

苦手・落とせない対象

CCD/CMOSカラーカメラ(一般的な色彩選別機)

可視光の色・明暗

着色粒、カメムシ被害粒(斑点米)、赤米、焼け米、黒い異物

同系色の死米・乳白粒、無色透明な樹脂片、ガラス片

近赤外線(NIR)カメラ併載

近赤外域の反射・吸収

ガラス片・石などの無機物、色では見えない異物の一部

穀粒と光学特性が近い有機異物、内部品質

形状・サイズ判別

輪郭と寸法

割れ米、未熟な細粒、異種穀粒、長い茎や藁くず

形が正常粒と同じ着色粒・異物

蛍光検出

紫外線励起による自家蛍光

一部の虫、特定の有機異物、カビ由来の変質粒

蛍光を発しない異物、安定した判別が難しい対象

ハイパースペクトル(分光)

各画素の連続スペクトル

色が同じでも成分が違うもの、同系色の樹脂片、品種の違いなど

処理速度とコストで不利。学習データの蓄積が前提

色彩選別機で落とせないもの(正直に書きます)

色彩選別機は着色粒の除去に強い反面、次のものは原理的に落ちません。

  • 製品と同系色の異物:白い樹脂片、透明なフィルム片、米と同色の小石。色で差が出ないため、閾値を上げると良品まで飛びます。
  • 内部品質:食味、タンパク含量、水分、内部の虫食い。表面の色を見る機械なので中身は分かりません。
  • 異臭・カビ臭:匂いは光学的に見えません。
  • 淡い着色やごく小さな斑点:カメラ解像度と光源次第で取りこぼしが出ます。古い機種ほど差が出ます。

斑点米への向き合い方は斑点米の選別機|着色粒・カメムシ被害粒を落とす色彩選別機と分光の限界、X線でも映らないものの整理はX線に映らないもの一覧にまとめています。

「色彩選別機で足りるなら色彩選別機を買うべき」

私たちは分光(ハイパースペクトル)の会社ですが、正直に書きます。着色粒・斑点米・赤米を落としたいだけなら、色彩選別機を買うのが最短で最も安い答えです。分光は1画素ごとに連続したスペクトルを取るぶん装置も処理も重く、判別モデルの学習データも必要です。色で分かれる課題に分光を持ち込むのは費用と手間の両方で合いません。

分光が意味を持つのは、色彩選別機を入れたうえで、それでも残る不良があるときだけです。「白い樹脂片だけが止まらない」「外見が同じなのに中身の違いを分けたい」といった場面です。

私たちはこれまで、食品・農業・インフラ・医療などの現場とともにハイパースペクトルカメラの実証を重ねてきました(実績一覧)。記事の途中で恐縮ですが、もし色彩選別機を入れても残ってしまう不良でお困りでしたら、国産ハイパースペクトルカメラ irodori の資料だけでもご覧いただけたら嬉しいです。

色彩選別機の選び方と導入ステップ

選定の3軸

カタログを比べる前に自分の条件を数字で固めると、商談が早く進みます。

  • 処理量:籾摺機の能力(インチ数)に合わせる。選別機が律速になると調製全体が詰まります。
  • 落としたい対象:着色粒だけか、ガラス・石まで含むか。NIR併載の必要性はここで決まります。
  • 設置条件:床面積、天井高、電源容量、既存の昇降機とのつなぎ。現場写真を持って相談すると確実です。

見積取得から設置・調整までの手順

  1. 現状を数値化する:昨年の等級、着色粒の混入率、格落ちした数量と金額、調製にかけた時間。判断の土台です。
  2. 処理量と対象を決める:籾摺機の能力と、落としたい不良を書き出す。
  3. 2〜3社に相見積を出す:本体に据付工事・電源工事・搬送改造・コンプレッサ・年間保守を含めた総額で揃えて比較します。
  4. 実機でサンプル選別を依頼する:自分の米を持ち込み、歩留まりと残存着色粒を実測します。カタログ値よりこの結果が確かです。
  5. 補助金の対象になるか確認する:発注前の申請が必要な制度があり、順序を誤ると対象外になります。
  6. 設置日程を収穫期から逆算する:繁忙期直前の据付は避け、試運転と調整に2週間は確保します。
  7. 初期調整と閾値の作り込み:品種・年産・乾燥条件で最適値は変わります。設定を記録に残し、翌年の立ち上げを早めます。

投資回収の考え方

回収年数は「格落ちを回避できた金額+人件費の削減額」を年間で出し、総額(本体+工事)を割れば概算できます。着色粒の最高限度は1等0.1%、2等0.3%(農林水産省「玄米の検査規格」)。この0.2ポイントを越えられるかで等級が動くため、判断材料は意外にはっきりしています。手順は検査自動化の費用対効果を試算する4ステップ|回収年数の出し方に分解しました。

使える補助金・助成金(2026年度の状況)

調製機械は国の補助事業の対象になり得ます。ただし採択率や受給額は約束できず、「必ず使える」ものでもありません。制度名と、2026年10月時点で公式サイトから読み取れる公募状況だけを挙げます。

  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金:従来の「ものづくり補助金」と「中小企業新事業進出補助金」を統合した制度で、設備投資等を支援するものです。中小企業庁のミラサポplusによれば、第1回公募は2026年9月30日18時に申請受付を開始し、締切は2026年10月30日18時と案内されています(採択発表は2027年1月頃の予定)。本記事公開時点では受付期間中ですが、締切直前のため最新の受付状況を公式サイトで必ずご確認ください。
  • ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金:第23次公募は2026年2月6日〜5月8日で、すでに受付を終了しています(公式サイトの公募要領ページ)。次回公募の有無・時期は公式サイトで告知されます。
  • 強い農業づくり総合支援交付金/産地生産基盤パワーアップ事業:2026年度の関係通知は2026年4月7日付で改正されています(農林水産省「2026年度強い農業づくりの支援に係る関係通知について」)。産地単位の取組が前提で、個人が単独で申請する枠組みではありません。
  • スマート農業・農業支援サービス事業加速化総合対策事業:2026年度当初予算分の公募は2026年5月29日開始・7月14日17時締切で、こちらも受付を終えています(農林水産省の公募ページ)。
  • スマート農業技術活用促進法の計画認定:生産方式革新実施計画の認定を受けると、2026年度当初予算の各種事業でポイント加算などの優遇が設けられています(農林水産省「スマート農業技術活用促進法について」)。選別データの記録・管理をソフトで行う場合はIT導入補助金も関係し得ます。

このほか都道府県・市町村が独自に助成を出している場合があります。公募時期・要件・対象経費は年度ごとに変わるため、必ず公式サイトで最新情報を確認してください。2026年度の制度の全体像はスマート農業の補助金【2026年度】に整理しました。

なお、色彩選別機で落ちない不良が残って分光の検討が必要になった場合、irodori の導入が補助金の対象になり得るかも含めて、まずはご相談ください。要件の読み合わせからお手伝いできます。

まとめ|価格の見方と選ぶ順序

価格は処理量で素直に決まります。中古は信頼できる公開相場がないため、価格より先に製造年・部品供給・据付の責任範囲を確認してください。そして選ぶ順序は色で分かれるものは色彩選別機、色で分かれないものが残ったときに分光。原理から知りたい方はハイパースペクトルカメラの仕組みと活用事例のページもどうぞ。

私たちは国産のハイパースペクトルカメラを自社開発している小さなチームです。「色彩選別機を入れたのに、この不良だけ止まらない」という状態でしたら、資料に目を通していただくだけでも検討の材料になると思います。

FAQ

色彩選別機の価格はいくらくらいですか

メーカー公式に公開されている希望小売価格では、小型機が約168万円(税込)、籾摺ライン直結の2.3t/hクラスが約273万〜295万円(税込)、3.3〜3.5t/hの大型機が約436万〜552万円(税込)です。いずれも本体価格で、据付工事費・電源工事・搬送改造は別途かかります。4t/h超の施設向け機種は公式に価格の公開がないため要見積です。

中古の色彩選別機は買っても大丈夫ですか

流通はしていますが、出所の確かな公開相場データがないため、本記事では中古の価格を数値で示していません。検討する場合は、製造年と稼働時間、カメラと光源の状態、交換部品がまだ供給されているか、エジェクタの作動不良、据付と初期調整を誰が担当するか、販売店の保証範囲を必ず確認してください。古い機種はカメラ解像度が低く、淡い着色粒を取りこぼすことがあります。

色彩選別機で落とせないものは何ですか

製品と同系色の異物(白い樹脂片、透明なフィルム片、米と同色の小石)、食味やタンパク含量・水分といった内部品質、異臭やカビ臭は落とせません。表面の色を見る機械なので中身は判別できません。淡い着色やごく小さな斑点も、カメラ解像度と光源によって取りこぼしが出ます。

色彩選別機の購入に補助金は使えますか

ものづくり補助金、強い農業づくり総合支援交付金・産地生産基盤パワーアップ事業、スマート農業関連の事業などが関係し得ますが、必ず使えるものではなく、採択率や受給額も約束できません。2026年10月時点では、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募が2026年10月30日18時締切で受付中と案内されている一方、ものづくり補助金第23次やスマート農業関連の2026年度当初予算分の公募は受付を終えています。公募時期・要件は年度ごとに変わるため、必ず公式サイトで最新情報を確認してください。発注前に申請が必要な制度が多い点にもご注意ください。

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