見えない「兆し」を捉える。 irodoriが食品・農業・製造の現場でできること

「まだ使えたかもしれない」
「まだ食べられるかもしれない」
「本当は、今じゃなくてもよかったかもしれない」
「収穫のタイミングは、本当に今で合っているのだろうか」。
食品や農業、製造の現場では、日々こうした「迷い」を抱えながら判断が下されています。安全性や品質を守るために必要な判断である一方で、その裏側では、明確な基準を持てないまま廃棄や早期対応が選ばれているケースも少なくありません。
近年は特に、安全基準の高度化や品質要求の厳格化、人手不足といった背景から、「迷ったら捨てる」「少し早めに切り上げる」といった判断が選ばれやすくなっています。
本当は、まだ使えたかもしれない。もう少し待てたかもしれない。
しかし、それを裏付ける客観的な根拠がないために、現場ではどうしても安全側に倒した判断が積み重なっていきます。
もし、人の目では見えない「変化の兆し」を、誰でも簡単に確かめられるとしたら。経験や勘に頼る判断を、データという共通言語で支えられるとしたら。現場の意思決定は、どのように変わるのでしょうか。
ハイパースペクトル技術を手のひらサイズに凝縮した光センサー「irodori」は、こうした問いから生まれました。本記事では、食品・農業・製造といった分野で、irodoriがどのように活用され始めているのか、具体的な事例を交えながらご紹介します。
人の目では見えないものを、データにする

irodoriは、もともと宇宙開発の分野で培われてきたハイパースペクトル技術を応用し、人の目では捉えられない18色の光を対象物に照射、その反射情報を読み取ることで、状態の違いや変化をデータとして可視化するデバイスです。
私たちが普段見ている「色」は、実はごく限られた情報にすぎません。見た目が同じでも、内部では成分や構造が少しずつ変化していることがあります。
irodoriが捉えるのは、色やツヤ、質感といった表面的な印象ではなく、その奥で静かに進行している変化の兆しです。衛星が地表のわずかな違いを読み取るように、これまで見逃されがちだった変化を検知し、人の感覚では言語化しづらい状態を「データ」という共通言語に変換する。それがirodoriの基本的な役割です。
活用事例① | 食品分野(レモン)

食品分野での活用例として、レモンの検証事例があります。見た目にはほとんど差がなく、触っても香りを嗅いでも区別がつかない状態のレモンでも、irodoriで計測すると、内部ではすでにわずかな変化が始まっている個体があることが分かりました。
実際の検証では、外観に変化が現れる前の段階から、約2ヶ月後の腐敗傾向を予測できる可能性が確認されています。この結果は、廃棄判断を感覚から根拠ある判断へと変えることや、流通・保管条件の見直し、過剰な安全マージンを減らした食品ロス削減といった新しい可能性を示しています。
活用事例② | 農業の現場

農業の現場では、収穫のタイミングや等級判断がどうしても経験や勘に頼りがちです。それ自体は長年培われた貴重な知見ですが、属人化しやすく、引き継ぎが難しいという課題も抱えています。
irodoriを活用することで、作物の熟度や育ち具合、個体ごとの差を数値として比較・判断することが可能になります。ベテランの判断を置き換えるのではなく、その感覚をデータとして残し、再現できる形にする。経験を属人技から共有できる資産へ変えていくことが、irodoriが農業分野で果たしたい役割です。
活用事例③ | 製造・インフラ分野

製造やインフラの現場では、異常が起きてから対応するのでは遅いケースも少なくありません。しかし、初期段階の劣化や異常は、見た目ではほとんど分からないことが多いのが実情です。
irodoriは、素材や製品の微細な劣化、品質のばらつき、異常の初期サインに早めに気づくための補助的な「眼」としての活用が検討されています。定期点検や目視確認を否定するのではなく、人の判断を支えるもう一つの視点を加えることで、現場の安心感や判断精度を高めることを目指しています。
irodoriは完成品ではありません

irodoriは、すでに完成されたプロダクトではありません。実際の現場で使われ、データが集まり、用途ごとに学習しながら進化していく「使われながら育つプロダクト」です。どの分野で、どんな価値を生むのか。その答えは、まだ一つに決まっていません。
だからこそ現在、クラウドファンディングという形で、「こんな現場で使ってみたい」「この用途でも活用できそう」といった声を広く募っています。
技術を、現場に近づけるために
.webp)
irodoriが目指しているのは、最先端技術を「すごいもの」で終わらせることではありません。現場の判断を支え、無駄を減らし、これまで見えなかった価値に気づけるようにすること。技術が主役になるのではなく、現場の意思決定が少しだけ楽になること。その第一歩を、サポーターの皆さまと一緒に踏み出していきたいと考えています。
もし「これ、うちの現場でも使えるかも」と感じていただけたら、ぜひプロジェクトページも覗いてみてください。
技術と現場が、ちょうどよく手を取り合う。
そのきっかけになれたらと願っています。
↓下記バナークリックでMAKUAKEページへ遷移します。

